戦後77年/おじいちゃんへのプレゼント
こんにちわ。ジュエリー春日です
おじいちゃんへ向けた指輪の話です。
そんなに話す機会も少ないおじいちゃん。おばあちゃんとはあるのに不思議です
ロシアによるウクライナ侵攻時にラジオのニュースを聞いていた
昭和一桁世代のおじいちゃんが珍しく会話が生まれました。
昭和16年に真珠湾攻撃が始まったので、昭和一桁世代のおじいちゃんは戦中戦後大変な時を過ごしていたので、それを令和4年の今聞いてもとても人ごとではないのでしょうね。
「終わってからの復興も大変だ」と話していた言葉が心に残ります
その話を聞いて「平和への思いを込めた指輪を作ろう」と思ったものの
どんな宝石(ルース)が良いのか、誰向けに作ろうか悩んだ結果
やっぱり戦後を必死に生きて今も元気で生きていてくれて平和を願っているおじいちゃん向けに作りました。
ウクライナの国旗のカラーの黄色(シトリン)青(ブルートパーズ )をゴツめにデザインした指輪にしました。
ゴツゴツした手は家族や孫の為に一生懸命生きてきてくれた手!
なんてありがたい手なんだろう!!おじいちゃんの手をまじまじと見て触ったのは
子供の時以来だった事に気がつきました。
糖尿病もあり食事制限もしているので元々が小柄で細身の体型なのですが、
指の節は太かったので17号サイズでぴったりでした。
もう一つ作ったので、平和を願うおじいちゃんへ戦後77年を迎える今年の夏
何気ない贈り物としていかがでしょうか。その時ご自身のおじいちゃんの手を
触って、見て下さい。感謝と生きてくれている事へ感動しますよ
【徹底解説】8月誕生石 ペリドット ~暗闇に光をもたらす"太陽の石"~
みなさん、こんにちは。
ジュエリー春日の解説担当です。
今日から8月の始まり、暑い暑い夏が続きますが体調など崩されていませんか?
本日は8月の誕生石、暗闇に光をもたらす”太陽の石”として古来から愛されてきたペリドットについて解説していきます。
【もくじ】
パワーストーンとしてのペリドット
黄緑色の宝石の代表、ペリドット。
地中深くのマントルや隕石中に発見されることもある神秘的な宝石です。
オリーブグリーンに輝き「太陽の石」とも呼ばれています。
ペリドットはネガティブなエネルギーを取り除き、
ポジティブなエネルギーをもたらしてくれると言われています。
夜に輝きを放つとされるペリドットは、暗闇への恐怖や妄想を吹き飛ばし、
ネガティブなエネルギーから身を守るお守りとしても、活躍してくれます。
怒りや悲しみなどマイナスな感情におちいりやすい人などには心を癒し、
明るく前向きに生きていけるようサポートし、夢を実現させてくれるといわれています。
夢を実現させる途中に自信をなくしたり意気消沈してしまったとき、この石をアクセサリーとして身につけると、心が明るくなり向上心を復活させてくれるパワーがあります。
鉱物情報
鉱物名: かんらん石
宝石名:ペリドット
化学組成: (MgFe)2SiO4
屈折率: 1.65~1.69
複屈折: 0.035~0.038
比重: 3.34
モース硬度: 6.5から7
宝石学としてのペリドット
ペリドットは黄緑〜緑〜茶色の色合いがありますが、
写真のような緑色のものが品質が高いとされています。
溶岩や隕石の中または地球深くのマントルで見つかる宝石で、古代エジプト人が紅海の島であるザバルガッドでペリドットを採鉱しました。
エジプト人が「太陽の宝石」と呼んだこの宝石は、今日でもその安らかな黄緑色の色相と長い歴史のために珍重されています。
地質学的にペリドットはマントルから岩石が表面に押し上げられたときに発生する海底の広がりに関連すると考えられています。
めったにないことですが、ペリドットは地球に落ちてきた隕石に含まれているという、地球以外の発生源である可能性もあり、この場合は宝石としての価値が跳ね上がります。
ペリドットの色の範囲は狭く、ブラウン~グリーン〜イエローです。
イエローがかったグリーンは、宝石の中で見られる最も一般的なペリドットカラーで、鉱物に含まれている鉄およびマグネシウムが
その魅力的な黄色がかった緑色を引き起こしています。
処理石について
ペリドットは基本的に加熱処理などはされない宝石のため、「非加熱」と記載されているものが多く流通しています。
石の質が悪い場合(特にパワーストーン)は強度を上げるために含浸処理をされたり、色を美しく発色するために着色処理を施す場合があります。
その場合は宝石としての価値は下がることが一般的ですので、信頼できる宝飾店から購入することをお勧めします。
~*~
いかがでしたか?
なにか質問などがございましたら、お気軽にコメントくださいね♪
ではまた。
〜*〜
参考サイト:GIA/星の種
解説:NANA(なな)
近畿大学文芸学部芸術学科卒業、西洋美術史専攻、学芸員資格保有
イタリア・フィレンツェで美術史研究のため1年間留学し、現在は「ジュエリー春日」および「アートジュエリー美術館」の運営に携わり、美術解説・宝石学解説を行う。
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【徹底解説】モネ『睡蓮』〜日本で最も愛されている名画〜
こんにちは、ジュエリー春日・芸術作品解説担当の学芸員NANAです。
今回は日本で最も愛されている名画、モネの『睡蓮』について徹底解説していきます。
〜*〜
睡蓮について
フランスの印象派の画家、クロード・モネ(1840-1926)によって描かれた「睡蓮」。
彼は生涯睡蓮を愛し、30年間で250枚もの睡蓮の連作を残したと言われています。
ちなみに睡蓮は英語で「ウォーターリリー(Water Lilies)と言います。
モネ「睡蓮の池と日本の橋」1899年 90.5×89.7cm シュトゥットガルト国立美術館
モネと白内障
彼は画家の中では長寿で86歳まで生きたのですが、晩年は白内障を患っていたため絵画への影響が顕著に見られます。
(白内障により赤茶けて大きく歪んだ睡蓮)
フランスのモネの庭
フランスのジヴェルニーという場所で晩年を過ごした彼は、自宅の敷地に「水の庭」と呼ばれる睡蓮と太鼓橋の掛かった広大な庭を作り、そこで「睡蓮」の制作を行いました。
フランス・ジヴェルニーの「水の庭」
日本のモネの庭
日本の高知県にモネの庭を再現した
“北川村「モネの庭」マルモッタン“という施設があります。
広さ約3ヘクタール(東京ドーム2/3個分)に相当する広大な敷地を誇ります。
高知県北川村 モネの庭マルモッタン
睡蓮 ~初期~
1895-1897は太鼓橋が描かれた睡蓮の絵が多かったのですが、1898-1900年初頭は睡蓮のみをクローズアップするようになります。
睡蓮 ~制作中断期~
1908年頃、モネは自身の目の不調を訴え始め、1912年に白内障の診断を受けます。
また1910年にはフランスのセーヌ川が大氾濫を起こし、モネの「水の庭」も大きな損害を被ります。
また、最愛の妻アリスも1911年になくなり、この頃のモネは心身ともに消沈していました。
(1913年、制作中断後に描いた「睡蓮」)
睡蓮 ~連作期~
1910年頃から、10年以上かけて大規模な横長の睡蓮の連作を制作します。
彼は1926年に亡くなりますが、白内障の影響で制作が遅れたため、亡くなる間際まで大装飾画を描いていました。
印象派とは
モネ、ルノワールを代表する19世紀後半のフランスで起こった芸術運動を指します。
自分の目に映ったそのままの状態(印象)を表現することを特徴としていたため、炎天下での制作が多かったそうです。
そのため太陽の紫外線を多く浴び目を酷使していたため、モネは白内障を患ったと言われています。
モネ『印象・日の出』
いかがでしたか?
なにか質問などがございましたら、お気軽にコメントくださいね♪
ではまた。
〜*〜
解説:NANA(なな)
近畿大学文芸学部芸術学科卒業、西洋美術史専攻、学芸員資格保有
イタリア・フィレンツェで美術史研究のため1年間留学し、現在は"ジュエリー春日"および"アートジュエリー美術館"の運営に携わり、美術解説・宝石学解説を行う。
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会話のきっかけに名画アクセサリーがおすすめな理由
こんにちわ、ジュエリー春日です。今日は絵画にはほぼ無知なスタッフの方が
記事を書いています
朝のSNSチェック をして「大阪でフェルメール展やっているのか」と知り
手元にある「名画アクセサリー」を付けて蓮の花の撮影に行った際、
いつもは誰にも声をかけられないし、もちろん私からも他人に声はかけませんが
「そのピアス良いですね」と60代と思われる女性から声をかけて頂きました。
その方は美術館が好きなんだそうでよく上野の森にいらっしゃるのだとか。
東京で開催されていた「フェルメール展」にももちろん行かれたそうです。
(私は朝のSNSで知って行きたかったな、と思ったのですが)
コロナの勢いがまた盛り返しているので今後の展覧会がどうなるのだろ?などなど
一通りお話されて去って行かれました。
たまたまその日「名画アクセサリー」をワンポイント付けていただけなのに
誰しもが一回は学校で聞いたこと、見たことがある「名画」のパワーを日常の
一瞬で感じれました。例え「絵画」には詳しくはなくても!
※ジュエリー春日のもう一人のスタッフは学芸員の為もちろんすごく詳しいです。その女性とだったらもっと話は弾んだのだろうな。
また別な日にほぼ初対面の人と話す際にも「そのピアスいいですね!」から
いつの間にか趣味にしているトレーニングの話題になりすっかりトレーニング話に
数日経った今そういえばあの場面でも「絵画アクセサリー」きっかけだったなと
この記事を書いていて思い出しました。
自分から必死に会話のきっかけを探してあまり会話が弾まなかったり、会話のきっかけに苦労するタイプなので付けているだけで会話のきっかけになるアクセサリーって素敵だなぁと再確認出来ました。もちろん「名画アクセサリー」って悪目立ちしないしプチプラだしおすすめです。
会話のきっかけにもなるジュエリーの中に「名画アクセサリー」の存在をこの記事を見ている人には知ってもらいたいです。
ジュエリー春日の名画アクセサリーはこちらです↓
【徹底解説】大阪市立美術館 〜フェルメール展〜 『窓辺で手紙を読む女』
こんにちは、ジュエリー春日・芸術作品解説担当の学芸員NANAです。
本日は巷で話題沸騰中のフェルメール『窓辺で手紙を読む女』について徹底解説していきます。
〜*〜
【作品情報】
フェルメール『窓辺で手紙を読む女』(1657-1659)
キャンバスに油彩
83 cm × 64.5 cm
アルテ・マイスター絵画館、ドレスデン 所蔵
〜*〜
【フェルメール】
オランダのバロック美術(※1)の画家、
ヨハネス・フェルメール(1632-1675)によって描かれたこの絵は、
印象的なモチーフと表情が繊細に描かれた傑作として、
今なお世界中の人々を魅了してやみません。
※1バロック美術
バロック美術は1600年代〜1700年代初頭までの間に発展した美術様式。
「バロック」とは「ゆがんだ真珠」を意味し、ダイナミックな動きや光と影の明暗の強調、臨場感のある題材が特徴的です。
レンブラント、フェルメール、ルーベンス、カラヴァッジョなどが有名。
〜*〜
【窓辺で手紙を読む女】
1657-1659頃に描かれたこの絵は、X線検査の結果壁の下にキューピッドの絵が描かれていたことは分かっていましたが、当初はフェルメール自身が塗りつぶしたものだと考えられており、そのままにされていました。
しかし現代になり科学が進歩して、これはフェルメールが描いた後に何者かによって塗りつぶされたことが発覚、よって修復によりキューピッドの絵を出現させることになります。
〜*〜
【キューピッドと仮面】
絵画図像学(イコノロジー)において、キューピッドと仮面は「真実の愛と偽りの愛」という寓意画としてしばしば登場します。
ポントルモ『ウェヌスとクピド』
仮面は「偽りの愛」の象徴で、その仮面を愛の象徴であるキューピッドが踏みつけていることから、この絵は「真実の愛」を表現していることが分かります。
手紙を読んでいる女は真実の愛が書かれたラブレターを読んでおり、ロマンチックなシーンを表現していると解釈されています。
いかがでしたか?
なにか質問などがございましたら、お気軽にコメントくださいね♪
ではまた。
〜*〜
解説:NANA(なな)
近畿大学文芸学部芸術学科卒業、西洋美術史専攻、学芸員資格保有
イタリア・フィレンツェで美術史研究のため1年間留学し、現在は"ジュエリー春日"および"アートジュエリー美術館"の運営に携わり、美術解説・宝石学解説を行う。
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裸石 ルースとは?ジュエリー業界専用用語
ジュエリー業界ではごく普通に「宝石ルース」「ルース」「裸石」「ジェムストーン」という言葉が飛び交っているので、みんな普通に知っている言葉だと思いがちですが、
自分のことを振り返ってみると初めて聞いたときは分かりませんでした。
スリランカの宝石商から見せてもらったスフェーンのルース
一般的に販売されている「宝石」はルースがすでに枠や台座にはまった状態のものですが
ルースとは「裸石」(らせき)が枠にはまっていない状態の
研磨とカットされた石そのものの事です。ジュエリー春日でもルースの販売も少し
研磨もカットもされていない石は「原石」と言います。
採掘された原石を職人さんが石を磨き光らせ、研磨やカットを施しているので
ルースを見ていると原石そのものの美しさと職人技がに惹かれるのです。
またカットの種類も沢山あるのでルースは見ていて飽きませんし、
ルース(や原石、鉱物)を集めすぎてお金がなくなる事を「石金」という言葉もあるぐらい
ハマる人は石の沼にはまっていくみたいです。
ルースを集めるコレクターさんも世界中にいます。世界中のルース販売会を回る人もいます
ジュエリー春日では実際にメキシコまで行って採掘してきたオパールも販売中です。強者です
ルース自体は今はネットでも購入できますし、各地で定期的に「ミネラルショー」などの販売会が行われているので足を運んで購入も可能です。
ルースを購入したらやっぱり自分のイメージした台座や枠に入れて楽しみたい、となった人が次は彫金の世界へ行くパターンもあるのかもしれません。宝石の世界は広い!
サスティナブルダイアモンドの時代!ジュエリー業界のSDGs
こんにちわジュエリー春日です
右がモアサナイト 左がキュービックジルコニアです
今回はアメリカやヨーロッパのセレブは何故サステナブルなダイアモンドを愛用していたり、ラボグロウンの会社へ投資しているのか?その背景について、です
皆さんは映画「ブラッドダイアモンド」は観ましたか?
書籍「ダイアモンドより平和が欲しい」を読んだ事はありますか?
この映画と本には
採掘現場の労働環境(小さい子供が小さく深い穴に入って低賃金で原石を採掘している)
採掘による水質悪化、地球環境問題、ダイアモンドをめぐる紛争、ブラッドダイアモンドは日本語でいうとそのまま「血のダイア」「血塗られたダイアモンド」です
ジュエリー業界にいる身としては「紛争ダイアモンド」アフリカ紛争資金調達がダイアモンドである事をもっと知っておくべきではないのか、広めるべきではないのかという思いです。
アフリカ紛争多発地域=ダイアモンド産出という式がほぼらしいです。
ダイアモンド、エメラルと、ルビー、サファイアの四大貴石は金と同様に資産価値が一定しており、携帯財産で換金しやすく、宝石は研磨とカットでどのようにもごまかせる事が背景にあります。確かに研磨やカットで優秀な鑑定士も見破れないと思われます。
ダイアモンドのこの背景をみると今から新しいキラキラのダイアモンドを欲しいと思えないと思います。でもキラキラのダイアモンドのには惹かれる。。そんな方は
「モアサナイト 」「ラボグロウン」「ジルコニア」を調べてみてください。
人間はすごいもので科学的に天然ダイアモンドと同じ成分でダイアモンドを作り出しています。ブラッドダイアモンド主演のブラットピットはラボグロンの工場で出資しているとか。
天然の石は宇宙のパワーも感じられて確かに美しいものですが、我々はラボグロウン、モアサナイト に目を向けて価値を見出す時が来ているのだなと思います。
実際に高品質のモアサナイトを最近手に入れましたが、天然ダイアモンドと遜色ありませんでした。
ジュエリー春日取り扱いのモアサナイト