ジュエリー春日の日記

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【徹底解説】大阪市立美術館 〜フェルメール展〜 『窓辺で手紙を読む女』

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こんにちは、ジュエリー春日・芸術作品解説担当の学芸員NANAです。

本日は巷で話題沸騰中のフェルメール『窓辺で手紙を読む女』について徹底解説していきます。

 

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【作品情報】

フェルメール『窓辺で手紙を読む女』(1657-1659)
キャンバスに油彩
83 cm × 64.5 cm
アルテ・マイスター絵画館、ドレスデン 所蔵

 

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フェルメール
オランダのバロック美術(※1)の画家、
ヨハネス・フェルメール(1632-1675)によって描かれたこの絵は、
印象的なモチーフと表情が繊細に描かれた傑作として、
今なお世界中の人々を魅了してやみません。

 

※1バロック美術
バロック美術は1600年代〜1700年代初頭までの間に発展した美術様式。
バロック」とは「ゆがんだ真珠」を意味し、ダイナミックな動きや光と影の明暗の強調、臨場感のある題材が特徴的です。
レンブラントフェルメールルーベンス、カラヴァッジョなどが有名。

 

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【窓辺で手紙を読む女】
1657-1659頃に描かれたこの絵は、X線検査の結果壁の下にキューピッドの絵が描かれていたことは分かっていましたが、当初はフェルメール自身が塗りつぶしたものだと考えられており、そのままにされていました。
しかし現代になり科学が進歩して、これはフェルメールが描いた後に何者かによって塗りつぶされたことが発覚、よって修復によりキューピッドの絵を出現させることになります。

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【キューピッドと仮面】

 

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絵画図像学(イコノロジー)において、キューピッドと仮面は「真実の愛と偽りの愛」という寓意画としてしばしば登場します。

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ポントルモ『ウェヌスとクピド』


仮面は「偽りの愛」の象徴で、その仮面を愛の象徴であるキューピッドが踏みつけていることから、この絵は「真実の愛」を表現していることが分かります。
手紙を読んでいる女は真実の愛が書かれたラブレターを読んでおり、ロマンチックなシーンを表現していると解釈されています。

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いかがでしたか?

なにか質問などがございましたら、お気軽にコメントくださいね♪

ではまた。

 

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解説:NANA(なな)
近畿大学文芸学部芸術学科卒業、西洋美術史専攻、学芸員資格保有
イタリア・フィレンツェで美術史研究のため1年間留学し、現在は"ジュエリー春日"および"アートジュエリー美術館"の運営に携わり、美術解説・宝石学解説を行う。

 

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