ジュエリー春日の日記

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【徹底解説】モネ『睡蓮』〜日本で最も愛されている名画〜

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こんにちは、ジュエリー春日・芸術作品解説担当の学芸員NANAです。

今回は日本で最も愛されている名画、モネの『睡蓮』について徹底解説していきます。

 

〜*〜

 

睡蓮について

フランスの印象派の画家、クロード・モネ(1840-1926)によって描かれた「睡蓮」。

彼は生涯睡蓮を愛し、30年間で250枚もの睡蓮の連作を残したと言われています。
ちなみに睡蓮は英語で「ウォーターリリー(Water Lilies)と言います。

 

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モネ「睡蓮の池と日本の橋」1899年 90.5×89.7cm シュトゥットガルト国立美術館

 

モネと白内障

彼は画家の中では長寿で86歳まで生きたのですが、晩年は白内障を患っていたため絵画への影響が顕著に見られます。


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白内障により赤茶けて大きく歪んだ睡蓮)

 

フランスのモネの庭

フランスのジヴェルニーという場所で晩年を過ごした彼は、自宅の敷地に「水の庭」と呼ばれる睡蓮と太鼓橋の掛かった広大な庭を作り、そこで「睡蓮」の制作を行いました。


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フランス・ジヴェルニーの「水の庭」

 

日本のモネの庭

日本の高知県にモネの庭を再現した
“北川村「モネの庭」マルモッタン“という施設があります。
広さ約3ヘクタール(東京ドーム2/3個分)に相当する広大な敷地を誇ります。


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高知県北川村 モネの庭マルモッタン

 

睡蓮 ~初期~

1895-1897は太鼓橋が描かれた睡蓮の絵が多かったのですが、1898-1900年初頭は睡蓮のみをクローズアップするようになります。

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睡蓮 ~制作中断期~

1908年頃、モネは自身の目の不調を訴え始め、1912年に白内障の診断を受けます。
また1910年にはフランスのセーヌ川が大氾濫を起こし、モネの「水の庭」も大きな損害を被ります。
また、最愛の妻アリスも1911年になくなり、この頃のモネは心身ともに消沈していました。

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(1913年、制作中断後に描いた「睡蓮」)

 

睡蓮 ~連作期~

1910年頃から、10年以上かけて大規模な横長の睡蓮の連作を制作します。
彼は1926年に亡くなりますが、白内障の影響で制作が遅れたため、亡くなる間際まで大装飾画を描いていました。


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印象派とは

モネ、ルノワールを代表する19世紀後半のフランスで起こった芸術運動を指します。
自分の目に映ったそのままの状態(印象)を表現することを特徴としていたため、炎天下での制作が多かったそうです。
そのため太陽の紫外線を多く浴び目を酷使していたため、モネは白内障を患ったと言われています。

 

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モネ『印象・日の出』

 

いかがでしたか?

なにか質問などがございましたら、お気軽にコメントくださいね♪

ではまた。

 

〜*〜


解説:NANA(なな)
近畿大学文芸学部芸術学科卒業、西洋美術史専攻、学芸員資格保有
イタリア・フィレンツェで美術史研究のため1年間留学し、現在は"ジュエリー春日"および"アートジュエリー美術館"の運営に携わり、美術解説・宝石学解説を行う。

 

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